エンジニア・担当者のための決定版

3大クラウドサービス
機能・料金・用途 徹底解剖

「なんとなく」で選んでいませんか?
AWS、Azure、GCPそれぞれの得意分野を、詳細なスペック表と共に解説します。

AWSロゴ

AWS (Amazon Web Services)

実績No.1・サービスのデパート

なぜAWSなのか?

世界で最も利用されているクラウドです。「枯れた技術(安定した技術)」から最新技術まで揃っており、**「AWSで実現できないシステムはない」**と言われるほどの網羅性が最大の特徴です。

💡 ポイント

エンジニアの採用が最も容易なのもAWSです。学習リソースが豊富で、多くの技術者が触った経験があります。

AWSコンソール画面

AWS 主要サービス・用途一覧

カテゴリ サービス名 特徴・できること どんな時に使う?
仮想サーバー Amazon EC2 CPU、メモリの組み合わせ(インスタンスタイプ)が数百種類ある。OSも自由。 Webサイト公開、アプリ運用
ストレージ Amazon S3 容量無制限のデータ保存場所。耐久性が99.999999999%と非常に高い。 画像保存、バックアップ、ログ保存
データベース Amazon RDS MySQLやPostgreSQLなどの面倒な管理(バックアップ等)を自動化してくれる。 会員情報や商品データの管理
サーバーレス AWS Lambda サーバーを立てずにプログラムコードだけを実行できる。実行時間のみ課金。 画像のリサイズ処理、定期バッチ
Azureロゴ

Microsoft Azure

Windows連携・エンタープライズ特化

なぜAzureなのか?

多くの企業で使われているWindows、Office製品との連携が強力です。**「社内のActive Directory(認証基盤)をそのままクラウドでも使いたい」**という要望に最適です。

💡 ポイント

OpenAI(ChatGPT)の技術をセキュアに自社ビジネスに組み込める「Azure OpenAI Service」が現在最大の強みです。

Azureポータル画面

オンプレミスからの移行・対応表

社内にあるシステムをAzureに移行する場合の対応例です。

社内の既存環境 Azureでの対応サービス 移行のメリット
Windows Server Azure Virtual Machines ライセンス持ち込み特典(Azure Hybrid Benefit)でコストを大幅に削減可能。
SQL Server (DB) Azure SQL Database バージョンアップやパッチ当てが不要になるフルマネージドサービス。互換性100%。
Active Directory Microsoft Entra ID 旧Azure AD。社内PCのログインとクラウドアプリのログインを一元管理できる。
ファイルサーバー Azure Files VPNなしでもマウント可能なファイル共有。管理者による容量管理が不要になる。
GCPロゴ

Google Cloud (GCP)

データ分析・AI開発のプロ向け

なぜGCPなのか?

Google社内で使われている超高性能なインフラを利用できます。特に「データ分析」と「コンテナ(アプリの入れ物技術)」においては他社を一歩リードしています。**「スピード」と「スケーラビリティ」**を重視する企業に選ばれています。

💡 ポイント

ネットワーク回線が非常に高品質かつ低遅延です。世界中に張り巡らされたGoogle独自のファイバー網を利用できます。

GCPコンソール画面

データ分析・AI 特化機能一覧

分野 サービス名 ここがすごい!
データウェアハウス BigQuery GCP最大の武器。
数テラバイト、数ペタバイトの超巨大データに対する検索が数秒〜数十秒で終わる。サーバー管理も一切不要。
機械学習 (AI) Vertex AI Googleの学習済みモデル(画像認識、翻訳など)をAPIとしてすぐに使える。自社データの学習も自動化できる。
コンテナ管理 GKE (Kubernetes) KubernetesはGoogleが開発したもの。そのためGCPでの動作が最も安定しており、機能追加も早い。
アプリ実行 Cloud Run コンテナ化したWebアプリを置くだけで、アクセス数に応じて自動で増減してくれる。開発体験が非常に良い。

3大クラウド サービス対応一覧表

各社は似た機能を持っていますが、サービス名称が異なります。
以下の表で横並びに比較できます。

カテゴリ AWS Azure GCP
仮想サーバー Amazon EC2 Azure Virtual Machines Compute Engine (GCE)
オブジェクトストレージ Amazon S3 Azure Blob Storage Cloud Storage
ファイルストレージ Amazon EFS / FSx Azure Files Filestore
RDB (リレーショナルDB) Amazon RDS / Aurora Azure SQL Database Cloud SQL / Spanner
NoSQL DB Amazon DynamoDB Azure Cosmos DB Cloud Firestore / Bigtable
コンテナ管理 (k8s) Amazon EKS Azure Kubernetes Service (AKS) Google Kubernetes Engine (GKE)
FaaS (関数実行) AWS Lambda Azure Functions Cloud Functions
データウェアハウス Amazon Redshift Azure Synapse Analytics BigQuery
ID管理・認証 AWS IAM Microsoft Entra ID Cloud IAM

まとめ:結局どれを選べばいい?

迷ったときは、以下の「一言ガイド」を参考にしてください。
ほとんどのケースで、この基準で選んで大きな失敗はありません。

AWS

「よくわからないから一番無難なやつで」
「トラブル時にすぐ解決策を見つけたい」
「Webサービスを作りたい」

Azure

「会社がMicrosoft製品メインだ」
「情シスがActive Directoryを管理している」
「ChatGPTを業務で使いたい」

GCP

「データ分析基盤を作りたい」
「コンテナ技術をガッツリ使いたい」
「Googleのようなモダンな開発がしたい」